複雑なのさ人生は

産業カウンセラーの同期におススメされた本を読んだ📖

『なんでも見つかる夜に、
こころだけが見つからない』
東畑開人著

著者は白金高輪にカウンセリングルームを開業している心理士

そして本のテーマは
この自由で過酷な社会をいかに生きるか
について一緒に考えること

著者は日ごろカウンセリングルームでやっているような流れで
読者と一緒にその答えを探すための航海に出る

とても詩的で優しくて読みやすい1冊

著者曰く・・

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人生にはときどき、迷子になってしまう時期がある
さっきまで普通に生きていたはずなのに
突如落とし穴にハマってしまう


そういう時になんとか人生の航海を続けていくには
何らかのサポートが必要である

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そのサポートには2種類あるという

それは「心の処方箋」と「心の補助線」

「心の処方箋」とは私たちが求めがちなあらゆるタイプのアドバイスだ
自己啓発本・哲学・心理学のような書籍であったり
ネット上に溢れるメッセージであったり
誰かに相談した時の答えだったりする

でもこれらには合う合わないがあるという点でサポートに限界がある

一方で「心の補助線」とは
複雑な心をシンプルな形に分割して
再びそれらを結びつけるためのもの

心の補助線を引くことで
複雑な心の形を変えずに複雑なままに扱うことができるらしい

複雑な心の中を補助線で分割してみると
自分の中にある複数の思いが見えてくる

相反する思いが共存して心が混乱しどこにいるのかわからなくなっている時
補助線の力を借りて中にあるものを認めることは苦しい
でもそうやって向き合うことには価値があると著者は言う

「心の処方箋」と「心の補助線」
どちらが必要であるかは今の状態によってケース・バイ・ケースなのだそうだ

どっちがいいかはその時々という意味で
心の処方箋と心の補助線それ自体が
1つめの補助線の役割を持っているというよく考えられた展開

そのまま著者はある男女のエピソードを交えながら
全部で6つの補助線を紹介してくれる

そして最後にその全ての補助線に併用されるメタ補助線というものが登場する

このメタ補助線が
「人生を以下に生きるか」
の答えを考える上で重要な役割を果たしている

6つの補助線でシンプルになったかのように見える心の中は
混乱している気持ちを整理することはできるけれど
実際の心も人生ももっと複雑なのだ

白と黒に分けられたかのように見える心の中を
メタ補助線によって本来のグレーな姿に戻してあげる

そうして心の中にいくつもの相反する思いがあることを許す
ああでもないこうでもないと考えながら
複雑な人生を複雑なままに生きていく

辛い過去とそれによって残った傷
今さら変えることなどできないのに
誰かに聞いてもらうことに意味などあるのだろうか?

著者はそこには意味があると言う

ああでもないこうでもない
そんな風に向き合う時間を続けるほどに
悲しみや苦しみの質感が変わっていく

当時は気付かなかったけれど
自分にも悪かった点があるかもしれない
いやなかったかもしれない

そんなことを繰り返し自問自答する
それは辛い作業だけれど
それでも時間と共に繰り返すなかで見えてくる深い悲しみ

悲しかったんだと気づくことは苦しい

でもその悲しみは人生を豊かにする
そんな悲しみを抱えた複雑な人生をそれも悪いばかりじゃないと思えることが
大人になっていくということなのかもしれない

読みながら私の心の中も覗いてみると
確かに実はまだひっそりと心の中に潜んでいる悲しみがいた

そっか、全部過ぎ去ったことだと思っていたけれど
私もいくつかの傷と共に生きているんだなと気づく

でもそれってすごく深みがあるよな~と思ってみたり

でもこの本のお陰でそんな傷に気づいてあげることができて
無理にしまい込まずに一緒に生きてていいんだと思えた気がした

喜びも悲しみも
納得いくまでこねくり回して
ゆっくり消化して魅力的な大人になっていこう✨

ではまたね👋

ー R

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