自由人の癒し | R-view #10

またまた図書館で借りていた本を読んだ📖

『野の医者は笑う 心の治療とは何か? 』
東畑 開人 著

前回(→参照記事はコチラ)と違って
とても読みやすい本でさくさくと読み終えた

たまにはこういう気楽な本もイイネ👍

著者は臨床心理士で現在は都内に自身のクリニックを持っているらしい

しかしこの本を執筆した時点では勤務医だったようで
当時の職場において詳細は書かれていなかったものの
自身のキャリア上だいぶ難しい時期を過ごしていた様子

そんな状況が影響してなのか
著者は自分がこれまで良いものだと信じ
多くの時間と労力を捧げてきた臨床心理学は
科学的根拠のない巷の怪しい治療者(=野の医者)と何が違うのだろうか?

実は臨床心理学も野の医者と同じように
自分がただ良いものだと宗教のように信じているだけなのではないか?

「心の治療とは一体何か?」

「野の医者とはどのように生まれるのか?」

という疑問が湧いてくる

そこで著者は当時住んでいた沖縄にて
(沖縄は野の医者の宝庫であった)
野の医者たちの治療を片っ端から体験し
野の医者と彼らの行う治療について知ると共に
自分が身を置く世界である臨床心理学を外側から見つめてみたくなった

治療を受けまくるにはお金がかかる💰

著者はそのための資金を援助してもらうべく
トヨタ財団の研究助成プログラムに応募しなんと採用されたのだった✨

まぁ正直なところ、辛い時期を過ごしていたと言いながらも
ちゃっかりトヨタのような大企業に企画が採用されちゃうところが
本当の迷える者たちと本質的に違うのよね~(‘ω’)
やっぱ京大卒って感じ・・・(‘ω’)
な~んてツッコんでしまうわたくしRであった

という余談はさておき・・

本の大部分は著者が実際に体験した野の医者の治療と
野の医者達が野の医者となった経緯についてのインタビューに割かれている

巷の怪しい医者と彼らが行う治療にさほど関心を持てない私にとってはわりと退屈でもあった

それでもこのつまらない(ごめん💦)体験記と
野の医者たちへのインタビューを読み続けたのは
著者の隠しきれない知性が全体的に感じられて
きっとこの話が何か大切なことに繋がるのだろうと察したからだと思う

野の医者はなぜ生まれるのか?
なぜ科学的根拠のない怪しい治療は後を絶たないのか?

それはその治療で救われた人が確かに存在するからだ

そしてインタビューを通してわかったことは
野の医者自身がもともとは「病む者」だったのだ

病む者として野の医者の治療に辿り着き救われた彼らは
自分も人を同じように癒したいと思うようになり
「癒す病む者」となっていくのだ

しかし「病む者」はどこまで行っても「病む者」である

患者だった彼らはやがて自分の信じた野の医者から学ぶ弟子となり
その世界独自の資格証をもらって晴れて野の医者となる
そして野の医者であり続けることによって治癒するのだ

結局のところ野の医者は
ある価値観を信じて受け入れた人達であり
その価値観に基づいて自分の人生を再構築したのである

それは見方によっては宗教に近いものがある

そして臨床心理学についても
治療を通して悩める人をその人らしい生き方へと導く点では同じメカニズムであり
臨床心理学と野の医者は親戚であると著者は言う

しかし著者曰く
両者の大きな違いは目指すべき治癒にあるそうだ

野の医者が思考によって現実が変わることを目指すのに対して、
臨床心理学は現実を現実として受け止め、生きていくことを指す


つまり私はこういうことと理解した

ある種のベールに包まれたまま
生きづらい世界を生きやすいものに変えて生きるのか
現実を現実のままに受け入れて生きるのか

書店で売っている自己啓発本は
そう言う意味では野の医者に分類されるだろう

『引き寄せの法則』
『思考は現実化する』

といった誰もが1度は目にするベストセラーは
生きづらいこの世の中を自分の見たい景色だけを見て生きるための本だとも言える
そうすれば現実が見たい景色に変わるよと・・(‘ω’)

著者はここでまた一つの転機を迎えて
自分の元いた世界
「臨床心理士である自分」に帰っていく🏠

私はこのブログでも既に書いている通り
FIREで時間ができたことをきっかけにして
産業カウンセラーという話を聴くスキルの資格を取ったのだけど
あまり人にそのことを積極的に話していない理由がこの本を読むうちにわかった気がする

ズバリ心の問題を解決する職業って怪しいのだ

野の医者と科学的な裏付けのある心理学
この2つの線引きは実に曖昧なのである

それでも人生は何が正解なのかわからないという点では
その人に合った様々な治療法があっていいのだと言える

けれど私は野の医者でも心理士でもない

私が話を聴くスキルを学びたかったのは
人を治療する者になりたいからではなかった

「人の話を聴く」ことがとても難しいと感じたからだ

ではそのスキルが身につくと何の助けになるのだろう?

それはその人が1人では見れなかった、見たくなかった現実に一緒に向き合えるのだ

向き合うことでその人は
本当はどうしたかったのか
何に傷ついているのか
何から逃げているのか
それを知ることができる

知っているということはとても強いのだ
知っているからこそ避けて通ることもできるし
前もって準備することもできる

自分を知っていることはとても自由に近づくのだ

自由な人生には強さがいるのだ(‘ω’)ノ

そのために私は
もし誰か周りの人が苦しんでいた時には
しっかり話を聴いてあげたいと思っている

それは私がただスキルを学んだからだけではなくて
自由に生きる私だからこそ聴けるのだ

私は著者のような臨床心理士になりたいわけでも
野の医者になりたいわけでもない

私は自由人的視点からできることを見つけ
周りの人を楽にしてあげたいと改めて思った✨

ではまたね👋

ー R

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