一度読むと癖になるのが橘玲氏の本ってことで
前回のブログを書いてからもう1冊借りてきた📖

『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』
橘 玲著
この本は2010年に出版されたものなので
確実に前にも読んだことがあると思うのだけど
Amazonで積もり積もった高評価に反して
私の中ではあまり印象に残っていなかった
本の内容はタイトルのまんまで一切ブレがない
ありのままの自分ではこの世の中でうまく友達もできず
好きなことを続けているだけでは誰からも評価されず
だからもちろんお金を稼ぐのも上手じゃない
そんな生きづらさを感じる人達(著者自身でもある)に向けて
著者の思いがこの1冊に込められている
しかし前回の『貧乏はお金持ち』同様に
内容を芯から理解するには読者側にもある程度のリテラシーが必要だ
私の中でこの本の印象が残っていなかったのは
単純に当時の私にはよく理解できてなかったからだろう
と言っても著者は本書の中で専門的な話は控えて
最大限優しい言葉で読者に訴えているのだけど
それでさえもある程度の教養は必要なのだ
産業カウンセラーとFPの知識を習得し続けている今だからこそ
本書の内容を噛みしめるように読み進めるとともに
著者の博識ぶりには感心しきりで唸ってしまった
ところで心理学と金融リテラシーって
真逆のことを勉強しているんだねとよく言われたんだけれど
私は全然そうは思っていなかった
この本を読んでみてやっぱり
心とお金は今の時代には複雑に絡み合っているのだと確信した
心とお金が直接的に影響を与え合っているというより
私たちが生きる上でこの2つの世界をしっかり切り分けた上で
行ったり来たり自由にできることは生きやすさの鍵だと思うのだ
それは例えば英語と日本語のバイリンガルが
英語を話す時は英語脳
日本語を話す時は日本語脳
と言う具合に無意識に脳の違った場所を使っているような感じかもしれない
著者はその異なる2つの世界を
「政治空間」と「貨幣空間」と名付けた
「政治空間」とはいわゆる人の繋がりである
その中心には家族・恋人の「愛情空間」
「愛情空間」の外側に親しい友人などの「友情空間」
さらにその周りに「友人ではないけど他人でもない」繋がりの空間があり
その総称を著者は「政治空間」と呼ぶ
この「政治空間」は遥か昔から存在する繋がりであり
私たちの進化の過程でDNAで植え込まれてきたものである
ヒトは1人では生きていかれないので
自分の集団から外されてしまっては大変だ
うまくこの繋がりの中に存在できるように
集団に適応できる振る舞いが求められる一方で
何かの特技で目立たないと認めてもらえない
一方で「貨幣空間」はもっとずっと後になって新しく生まれてきた繋がりで
ここではお金を介した取引が自由に行われる交易空間だ
この「貨幣空間」の中では
お互いが誰であるかなど関心もなく
市場の倫理さえ守っていれば差別もなく誰でも受け入れられる
私の思っていた心とお金の関係を
この2つの空間を使って見事に言い表してくれた著者には感心仕切りだ
「政治空間」と「貨幣空間」が2つの別々の世界ならば
その人にとって生きやすい方を選択して
その中だけで生きていけばいいじゃないかとなりそうだけど
そうはうまく行かないのが私たちの生きる世界
現代を生きる私たちが幸福を感じるためには
どちらの世界も必要なのだ
ただし2つの世界は異なる特徴を持つ世界なので
それぞれに相応しい距離感や関わり方のコツがある
ここまで読んで気づいたのだけど
私が思う「自由な人生」って
そのコツを掴んで自分にとっての快適空間に留まることであり
そのコツこそが「しなやかな心」と「金融リテラシー」にあると思うのだ
私はこのブログの中で
自由な人生とは何かを考えていきたい
と折に触れて書いているんだけど
自由に行きたいならただそのように生きればいいものを
なぜ考えていきたいという言い方をするのか・・(‘ω’)
それは私たちが生きていく上では
自由を望みながらもなにかしらの集団には所属しなければならず
所属してどこか安心しながらも自由を求めている
だから「自由に生きる」とは厳密に言えば
『自由の体感度合いを最大化できるポイントを探す』
と言った方がいいのかもしれない
人里離れた場所でたった1人自給自足している人だって
そもそも日本国籍がなければそんなことは許されず
さらに自治体に住民登録はしなければいけない
何にも所属せずに生きている人など日本にはいない
そっか(‘ω’)💡
著者のおかげで私の思う自由な人生のヒントをもらえた
政治空間から与えられた役割を従順にこなしていくのが嫌ならば
自分の生き方で自分の役割を示していくことが大切だ
そしてそれは多くの場合浮いてしまう
自由と背中合わせの孤独を
それでいいんだよとソフトに受け止めさせてくれる1冊だった
私が思っていたよりもずっと優しい橘氏なのであった
ではまたね(‘ω’)ノ
ー R
